表面実装はんだ付け用ツール「SMDクランプ」

【開発支援ツールシリーズ】

SMDクランプ(150mmアーム)PX1810

初心者でも表面実装はんだ付けが画期的に上達


 【お知らせ】
 SMDクランプ PX2210の販売に伴い、 SMDクランプ(150mmアーム) PX1810 の販売を終了しました。
 多くの方にご利用頂き、有り難うございました。
 今後は「SMDクランプ PX2210」をご利用下さいます様お願いいたします。

【はじめに】
 本SMDクランプ紹介ページは、ユーザーズマニュアルを兼ねます。
 SMDクランプをご使用の際は本ページをご覧下さい。
 画像上でマウスポインタがクリックアイコンに変わるものは、クリックすると画像が拡大されます。

1.SMDクランプとは
SMD_CLAMPの外観写真
SMDクランプ(150mmアーム)PX1810

 SMDクランプは表面実装部品(SMD: Surface Mount Device)を基板にクランプし、はんだ付けを容易にする為のツールです。
 SMDクランプを使えば、「はんだによる部品の仮止め」という手戻り(二度手間)も不要で、初心者でも表面実装はんだ付けが大幅に上達し、 一度使うと手放せなくなります。

 アマチュアのDIY愛好家の皆様には少々高価と言われますが、「時間は只、出費は抑制」の世界なので大いに理解できる処です。
 一方、作業性と品質向上効果の点で高コスト/パフォーマンスである事と、 日本のプロのベテラン職人さんの手作りの国産品にも関わらず、CR4KVは僅か約70分(PX1810 青ラベル)である事から、 プロの皆様からは「一生モノのツール」としては極めてリーズナブルとの評価を多数頂いております。

 電子回路の開発室や実験室のはんだ作業台に1台置けば、喜ばれる事うけ合いです。

(1)従来のはんだ付けの方法
 以下は一般的なSMDのはんだ付けの手順です。
SMD用ユニバーサル基板バナー
  @位置決めし、固定の為の「はんだによる部品の仮止め」
  A残り端子のはんだ付け
  B仮止め部の手直しによる正式はんだ付け

 @は位置決めをしながら、部品とパッドに過度の熱ストレスを与えない様に手速く行なう必要があるので、初心者には難作業です。

 お手本となる動画がありましたので、参考例として下さい。
 ベテランの技なので一見簡単そうですが、初心者が動画の様に手際良く行なうのは容易でありません。
  はんだ付け基礎講座 WEB版
  はんだ付け3分間クッキング


(2)SMDクランプ使用の場合
 @SMDクランプで予め部品を正しい位置にクランプ
 A後はゆっくりとはんだ付けするだけ

で、難しい「部品の仮止め」が不要で、はんだ付けが容易になります。
 初心者の望遠レンズでの写真撮影に三脚が必須な様に、初心者の表面実装はんだ付けにSMDクランプは欠かせないツールとなるでしょう。

チップ抵抗のクランプ写真

1608Mチップ抵抗の位置決め例 

 クランパの、鏡像を無くす為の波状凹凸パターンによる映り込み防止加工が良く判ります。

 クランプしたチップ部品がクランパに映り込むと、鏡像で部品の実形状が判り難くなり、はんだ付けがし難くなるのを防ぎます。

 余談ですが、表面実装部品の従来方法のはんだ付けで「はんだによる部品の仮止め」はどう見ても手戻り、二度手間であり、 これを正規の作業手順に組み込むのに疑問を持たれる方は多いのではないでしょうか?
 もし通常業務の中の作業だとしたら、「仮止め部の手直しによる正式はんだ付け」の為の基板の向きを反転する動作は、真っ先に作業改善の「ムダ取り」の 対象とされる様な動きです。

 恐らく「はんだによる部品の仮止め」は、適切なツールが無かった時代に、必要悪、次善の策としてその方法を採った、という事なのでしょう。

 それ故、初心者には難しい、ピンセットとはんだゴテによる「はんだによる部品の仮止め」をスキルの一部として練習するより、 それはSMDクランプで解決し、その後の本来のはんだ付け作業のスキル向上に注力する方が、はんだ付け初心者には理にかなっていそうです。


2.SMDクランプの使用方法
 以下ではSMDクランプ(150mmアーム)PX1810を「SMDクランプ」と呼びます。

(1)SMDクランプの操作方法

小指、又は薬指と人差し指による操作

ポストに手のひらを置いて支点にする操作

 @小指又は薬指でテーブルを押え、人差し指でアームを持ち上げます。
  または、基板が大きく小指又は薬指でテーブルを押えられない場合は、ポストに手のひらを置いて支点とし、
 基板でベースを抑えながら親指と人差し指でアームを持ち上げます。

 A基板のはんだ付け対象部品位置をクランパの先端下部に移動させます。

 B部品を位置決めし、アームを下げて基板にクランプします。

 Cはんだ付けします。


(2)位置決めした部品への加圧
 位置決めした部品に一時的に圧力を加えたい場合には、クランパの上端を指で押えて下さい。
 アームを押えると、アームが撓んでクランパ先端が動き、部品位置がずれる場合があります。
クランパ上押下写真
○(良い例)
クランパ上端を押下

アーム中央押下写真
×(良くない例)
アームを押下

3.使用上の注意
(1)感電や短絡等、重大事故につながるので、SMDクランプを使用する際は、必ず対象基板(回路)の電源をオフにして下さい。

(2)無理にアームを開くとSMDクランプが壊れる可能性があります。
 クランパ先端とベース間の距離がクランパ先端許容開度(仕様参照)を越えない様にして下さい。

(3)SMDクランプのクランパ先端は鋭く尖っています。
 怪我をしない様、取り扱いには充分注意して下さい。

 出荷時にクランパに約30mmの保護用ビニルチューブを被せています。
 SMDクランプを使用しない際はクランパに保護用ビニルチューブを被せて置き、使用時に外して下さい。

保護用ビニルチューブ写真

 また、作業机に傷を付ける可能性があるので、必要に応じてベニヤ板を敷く等して作業して下さい。

(4)弊社は本製品を運用した結果についての責任は負わないものとします。

4.SMDクランプの基本仕様
 【ご注意】改良の為に、予告無く仕様を変更する事がありますので、ご承知願います。

項   目 基 本 仕 様
外形寸法
190mm(W) x 20mm(D) x 20mm(H)
(クランパ先端ベース突出部含まず)

実効アーム長(基板端からクランパが届く範囲) 150mm
 実効アーム長の2倍を越えるボードでは、クランパは基板中央付近に届きません。
重量
約43g
対象最大部品高さ、
クランパ先端許容開度
対象最大部品高さ 12mm
クランパ先端許容開度 25mm

 無理にアームを開くとSMDクランプが壊れる可能性があります。
 クランパ先端とベース間の距離がクランパ先端許容開度を越えない様にして下さい。
クランプ可能な部品高さ
0.3mm以上
 1005M以下のチップ部品は部品高さが小さいのでクランプ出来ない場合があります。

 部品高さが小さくクランプできない場合は自己責任の範囲で、アダプタの自作を検討してみて下さい。
 (使用方法の補足参照)
本体部材質 ステンレス (t= 0.8mm)

 ステンレス材料に元々ある小さな傷が、製品に残っている場合がありますのでご承知願います。
主な特長 @静電気防止アース線接続用Φ3.2ビス穴実装
 アース線取り付け例 (アース線は製品に付属していません)
 アース線取り付け写真

Aクランパに波状凹凸パターンによる、映り込み防止加工あり
 クランプしたチップ部品等の小さい部品がクランパに映り込むと、鏡像で部品の実形状が判り難くなり、はんだ付けが非常にし難くなります。
 波状凹凸パターンにより鏡像を無くします。

B狭いスペースにも届く、幅1.4mmの細いクランパ先端
外観オプション ●青ラベル:標準品
 PX1810
SMDクランプ青ラベル写真
 キズの程度が基準以下の通常製品です。
●緑ラベル:エコタイプ
 PX1810-G
SMDクランプ緑ラベル写真
 基準を越えたキズがあります。
【注記】キズについて
 レーザー加工、切削、折り曲げ等の製造過程で生ずるキズを完全に無くすのは困難の為、製品には多少のキズがある事をご承知願います。

 キズの程度に応じてラベル色で製品を2種類に分けています。
 緑ラベル品(エコタイプ)は基準以上の傷のある物を廃棄せず、アウトレット品扱いにしたもので、 機能的には青ラベル品(標準品)と完全に同一です。
 長い間使い込む内に、DIP部品のピン先端等の突起物で傷が付くのが一般的なので、緑ラベル品(エコタイプ)はコスト/パフォーマンスの点でお薦めです。
荷姿 SMDクランプ荷姿写真
プラスチックケースに収納して納品
生産国 日本


5.価格と発注方法
 直販製品の概要と発注方法 をご覧下さい。
  Amazon(アマゾン)さんでも販売しています。

6.関連資料
 SMDクランプ関連資料には、本ページ以外に以下があります。

資   料 主 な 内 容
1005Mチップ部品のクランプを可能にする SMDクランプPX1810の改造
外観

 SMDクランプPX1810の対応チップサイズ仕様は1608M以上です。
 これを1005M対応可能とする改造方法をまとめました。
手でのはんだ供給から解放 点眼はんだ法にも便利  はんだホルダの製作
外観

手でのはんだ供給を不要にして、作業のストレスを解消する「はんだホルダ」の製作方法です。
点眼はんだ法用 金メッキL型こて先の製作
金メッキこて先
L型こて先による「点眼はんだ法」に掲載の「L型こて先」の製作方法です。
K型こて先を改造して、金メッキします。
小形チップ部品のはんだ付けが容易 L型こて先による「点眼はんだ法」 L型こて先外観図 点眼はんだ法による、小形チップ部品のはんだ付け方法
世界一贅沢かもしれない金メッキL型こて先を用います。
表面実装はんだ付け用「SMDクランプ」
使用方法の補足説明

使用例や補足事項について
 ・使用方法の補足
 ・クランパのカスタマイズ
 ・SMDクランプの自作
 ・その他
SMDクランプのアダプタ製作
アダプタ写真
クランパのアダプタの製作方法について
1005Mサイズチップ抵抗等の、厚みが小さい小型部品のクランプに役立ちます。
アダプタの型紙のダウンロードもできます。
表面実装はんだ付け用「SMDクランプ」
使用のヒント(補足説明)

使用例や補足事項について
 ・使用方法の補足
 ・クランパのカスタマイズ
 ・チップ部品の紛失防止
 ・SMDクランプの自作
 ・その他

初心者の為の点眼はんだ法の効率的練習方法

はんだ付け練習方法について

SMDクランプ耐久試験
SMDクランプの耐久試験の様子です。


7.お問い合わせ
 不明点は下記にお気軽にお問い合わせ下さい。
   webmaster@proxi.co.jp
   TEL 055-934-1527

7.今迄の主なQ&A(補足)
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Q.はんだ付け技術の検定等でSMDクランプの持ち込み使用は可能でしょうか?

A.問い合わせてみました。
「NPO法人日本はんだ付け協会」
 SMDクランプの使用可能との事です。
 既に「はんだ付け検定」では実際に使用している方も居られるそうです。

●「一般社団法人 日本溶接協会」様マイクロソルダリング技術資格
 SMDクランプの使用は不可との事です。
 理由は、SMDクランプは「治具だから」との事でした。

 許容されている工具は工具の説明にあります。
 この中のDIP 挿入冶具・小角材、ヒートシンク、切断ゲージ、プリント基板置台等も治具と思われるのですが...。
 やはりルールを定める時点で想定されていなかった物は認められる迄に時間が必要と思われます。

 最初はNGでしたが、世の中で一般的になったら多くの各種資格試験でOKになった「電卓」の様に、SMDクランプが斯界で一般的になったらOKになるのかもしれません。

 なお、表面実装部品の固定に工具箱内のマスキングテープの使用はOKとの事でした。
 マスキングテープもジグ(紙具)ですが...
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Q.SMDクランプ(80mmアーム) 「PX1510」の販売は?

A.より高性能のSMDクランプ(150mmアーム)PX1810に統一し、SMDクランプ(80mmアーム) 「PX1510」 は販売を終了しました。
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Q.Yahoo!ショッピング等で同じ形式(PX1810)の物が販売されていますが、相違点は?

A.弊社とは無関係なので、出処や流通経路も含め、品質等の相違点は不明です。
 弊社販売品以外は製品の保証は出来ませんのでご承知願います。
 また、弊社から購入するより高価になると思われます。
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特定商取引に関する法律に基づく表記

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