【開発支援ツール・シリーズ】 表面実装部品(SMD)半田付け用ツール

初心者でもSMDの半田付けが容易にできる

SMDクランプ 「PX1510」


1.PX1510概要

 表面実装部品(SMD: Surface Mount Device)の半田付け、特にチップ抵抗の様な小形部品の半田付けは一定のスキルが 必要で初心者には難しいものです。

 道具を用いる半田付けの方法として逆作用ピンセットの使用が有りますが、微妙な位置決め操作がし難い、基板が作業台に安定しない、 等で、あまり実用的ではありません。

 そこで新たなツールを創り、初心者でも容易にSMDの半田付けができる様にしようとしてできたのがSMDクランプです。

 SMDクランプでは位置決めした部品と基板を、部品押えとテーブルで挟んでその相対位置を保持します。
 手を使用せずに部品の位置決めができるので、後は慌てずに半田付けをするだけになり、誰でも簡単に半田付けができる様になります。

SMD_CLAMPの外観写真


【従来の半田付けの方法】
 ここでは特に難易度の高い1608チップ抵抗を例に記します。
 説明の為に、その2つのパッドをそれぞれパッド1、パッド2とします。

 半田付けの方法として以下の動画が有りましたので、参考例として下さい。
  はんだ付け基礎講座 WEB版
  はんだ付け3分間クッキング

 従来方法の難しさの原因は、本来は部品の位置固定、半田ゴテの操作、半田の供給の3つの同時動作が必要なのに、手は2つしかないという点です。
 その為、一般的にはSMDの半田付けは以下の手順で行なわれます。
  @位置固定の為にパッド1に半田付けで「仮止め」
  Aパッド2に半田付け
  B再度パッド1に正式半田付け

 @では一方の手に持った半田ゴテでパッド1を加熱しながら、他方の手に持ったピンセットで部品をパッド1上に滑り込ませる、 いわば動的な位置決めをしますが、部品とパッドに過度の熱ストレスを加えない為に手早さが必要であり、 慣れない初心者にとっては難作業です。

【SMDクランプ使用の場合】
 予め基板と部品を位置決めしてSMDクランプで挟んで固定すれば、後はパッド1、パッド2に順番に 半田付けするだけです。
 これは作業上最も難しい上記@の「部品の仮止め」が不要になる事であり、SMDの半田付けは初心者にも易しい作業に なります。

チップ抵抗1608クランプ状態

1608チップ抵抗の位置決め状態です。

2.SMDクランプ PX1510の基本仕様

項   目 内   容
外形寸法 140mm(W)、20mm(D)、22mm(H) (ビス頭含まず)
アーム長 80mm(*1)
本体部材質 ガラスエポキシ(FR−4)、板厚1mm、共晶半田使用(有鉛)
(*2)
対応SMD最大部品高さ 5mm (*3)
部品押さえ 予備品として1個添付
アームに半田付けで固定しているので、ユーザサイドで半田ゴテで交換可能
ガラスエポキシの為、ヤスリにて容易にカスタマイズ可能(*4)

【使用上の注意】
*1:本SMDクランプが届く範囲は基板端から80mm以内の範囲です。
   従って基板サイズの1辺が160mmを越える辺に平行な方向の中央付近では本SMDクランプでの部品位置決めはできません。
*2:SMDクランプに加熱した半田ゴテを直接長時間接触させると焦げます。
   一般のガラエポ基板と同様にハンダゴテの直接接触は極力短時間(最大250℃、30秒以下)にして下さい。
*3:アームが壊れる可能性が有るので、高さ5mm以上の部品に対しては本SMDクランプを使用しないで下さい。
*4:修復不可能の為、削り過ぎには注意して下さい。
   万一削り過ぎた場合は予備品と交換して下さい。(半田付け作業に依ります)

3.PX1510使用方法

【備考】本ページはユーザーズマニュアルを兼ねます。
 SMDクランプ PX1510をご使用の際は本ページをご参照願います。

SMD_CLAMPの操作
@SMDクランプのアームを持ち上げます。

SMD_CLAMPの位置決め
Aアームを持ち上げた状態で、基板と部品をアームの下に移動させて位置決めし、アームの持ち上げを止めれば部品押えが部品と基板を押さえ、固定します。


B位置決めした状態で半田付けをします。
 部品の一部を半田付けすれば、残りの半田付け箇所はSMDクランプを外して半田付けできます。


【使用例】
SOPクランプ状態

20ピンSOPの位置決め状態です。

3極SOTクランプ状態

3ピンSOTの位置決め状態です。

配線材クランプ状態

基板の回路変更に伴う配線材の位置決めにも便利です。
写真はφ0.26mm単線の位置決め状態です。


 以上とは別に、パッド1に予備半田をし、部品をSMDクランプで押さえて置いた状態でパッド1に半田ゴテを当てると、 盛り上がっていた半田がSMDクランプの圧力でつぶれ、部品の傾きもパッド面に沿って修正され、綺麗に半田付けされるという方法も有ります。
SMD_CLAMPの動作

4.その他

(1)SMDクランプのカスタマイズ
 部品押えの先端は用途に合わせてヤスリで適当に削ってカスタマイズすると一層便利です。
 例えば、厚さ1.0mmの先端を0.5mm程度にする、幅3.0mmの先端を2mm程度にする、先端中央を0.2〜0.4mm窪ませる等です。

(2)0Ω抵抗とジャンパ線
 実際の回路基板ではSMD用パッド間をジャンパ線で短絡したい場合があります。
 一般的なスルーホールによるジャンパ接続時は抵抗やコンデンサのリード線を利用できます。
 表面実装でも同様にそれらのリード線を1.6mm程度にカットして利用したい処です。
 しかし、表面実装ではパッド1に半田付けしてからパッド2に半田付けする際に、パッド1の半田も溶けてジャンパ線材が浮き上がり、 それが表面張力で半田ゴテに張り付いてしまうので作業は容易ではありません。
 その為、一般的には0Ωのチップ抵抗を使用します。

 一方、本SMDクランプでリード線の中央を押さえてジャンパ接続を行なうと、パッド1、パッド2 それぞれの半田付け時に、 ジャンパ線は固定されていて浮き上がりが発生しないので、半田付けが可能になります。
 これによりSMDクランプを用いてリード線の再利用ができます。
 また、チップ抵抗の小口ユーザの入手価格は9〜10円程度である一方、再利用のリード線は只なので、コストダウンになります。

 さらに研究開発用ユニバーサル基板 有効利用のヒント「チップ部品の端子蒸発」 で「初心者は最低でも100個はチップ抵抗の半田付け練習が必要」としましたが、最初にSMDクランプを用いて リード線の再利用で半田付けの練習を行なえば、惜しげ無く練習できます。

 また、その練習用基板に CHIP/DIP兼用ユニバーサル基板「PX1320」 を用いれば約400個ものチップ部品用パッドが有るので、教材費としても格安になります。
 もっとも、SMDクランプを使用すれば初心者でも半田付けが容易に行なえる、という事からすればそれ程多くの練習は必要ない、とも言え そうです...。

(2)リード線半田付けの例
テスト半田付けパッド
リード線半田付けテスト対象である シングルオペアンプ基板 PX1330 Side-Sのユニバーサルエリアです。
半田付けテスト結果
1.6mmにカットした抵抗リード線を2.54mmピッチの連続したSMD用パッドに初心者が半田付けした様子です。
互いの干渉も無く、スルーホールへの半田の流れ込みも有りません。
もしもSMDクランプを使用しなければ、半田付けのベテランでもかなり難しい作業と思われます。

部品押さえカスタマイズ
本作業では部品押え先端を0.5mm厚、幅2mm程度にヤスリ掛けしてカスタマイズし、
さらに、マスキングテープの利用のマスキングテープも利用しました。


(3)SMDクランプの自作
 SMDクランプ PX1510は開発支援ツール・シリーズとして製作したもので、CR4KVは35分程度で、 プロユースとしては自作するより購入した方が遙かに安価で高品質と考えられます。

 一方、趣味の場合は時間が掛かっても出費を抑えたい処です。
 その様な場合の自作の為の参考資料として型紙を作りました。
  SMDクランプ型紙のダウンロード
 材料は加工性、耐熱性、弾力性の観点からから厚さ1.0〜1.6mmのガラスエポキシ板が最適です。
 プリント基板製造に伴う廃棄物である捨て基板、または市販のユニバーサル基板で充分です。

 型紙をプリントアウトして材料に貼り付ける場合には、水溶性の接着剤では紙が延びて寸法が狂うので、そうはならない、いわゆる「セメダイン」の様な接着剤を使用して下さい。

自作SMDクランプ
自作SMDクランプの一例

 なお、SMDクランプの原案については工業所有権が設定されているので、営業目的での製造、販売はお控え下さい。

(4)免責事項
 当社では製品版や自作版のSMDクランプを使用した結果についての責任を負うものではないので、あくまでも自己責任で行なって下さい。

5.価格と発注方法

 直販製品の概要と発注方法 をご覧下さい。
 または、 Amazon(アマゾン)さんでも販売しています。

7.お問い合わせ

 不明点は下記にお気軽にお問い合わせ下さい。
   webmaster@proxi.co.jp
   TEL 055-934-1527

特定商取引に関する法律に基づく表記

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