はんだ付け練習方法について
初心者の為の点眼はんだ法の効率的練習方法
●はじめに
小形チップ部品のはんだ付けが容易 L型こて先による「点眼はんだ法」も含めて、
チップ部品のはんだ付け、特にリフロー用パッドを用いた基板でのはんだ付けはそう簡単ではなく、初心者はある程度練習する必要があり、
具体的には、実際のチップ抵抗で100個以上は練習したい処です。
その為には時間と材料(経費)が必要ですが、時間は自ら捻出するしかなさそうです。
ここでは、それ以外で参考になりそうな事柄を覚え書きにします。
- チップ抵抗の入手
リール単位では単価1円未満のチップ抵抗は、ネット販売で少量購入できる様になり便利になりましたが、一般的には単価は数円から十数円で、
惜しげもなく数多く練習するという訳には行きません。
その様な場合には、
MISUMI-VONA(ミスミ ECサイト)の
RK73シリーズ 厚膜角形チップ抵抗器等がお薦めです。
1005Mサイズ等、他のチップ抵抗もあります。
法人または個人事業主に限られますが、500円/500個(単価1円)で、クレジットカード支払いなら送金手数料無料、驚く事に送料無料。かなり大胆なビジネスモデルで、これで利益が出るのか心配になる程です。
- はんだ付け練習用基板
ネット上で種々のはんだ付け練習用基板が市販されている様です。
これらは一般的には練習用として、部品実装密度が低くはんだ付け対象部品周辺の空間が大きく、パッドが充分大きいので部品に対する加熱スペースも大きく、手はんだ付けがし易い条件になっています。
一方、リフロー用パッドを用いた通常の製品用基板では部品の実装密度が高く、加熱スペースも小さいので、手はんだ付けはし難いものです。
言い換えると、はんだ付け練習用基板でのはんだ付けには「点眼はんだ法」を用いるまでもなく、従来の方法で充分という事であり、はんだ付け練習用基板での練習はあまり実用的、実戦的ではないと言えます。
実際の製品用基板で練習できれば良いのですが、その機会を得られる人は多くはなさそうです。
その様な場合には、下図の様な一般的なリフロー用パッドに相当するパッドを有する CHIP/DIP兼用ユニバーサル基板 「PX1320」をお薦めします。
同基板の本来の目的は「はんだ付けの練習」ではありませんが、名刺サイズにも拘わらず、約390個もの1608Mチップ部品用パッドが有り、コスト/パフォーマンスの点からも点眼はんだ法の練習に大変有効です。
同様に、 SMD対応シングルオペアンプ基板 「PX1330」も点眼はんだ法の練習に効果的です。
なお 、小形チップ部品のはんだ付けが容易 L型こて先による「点眼はんだ法」中の点眼はんだ法紹介動画でも上記の基板を使用しています。
- チェック
慣れない内は、確実にはんだ付けされたかどうかを確認しながら練習する事を薦めます。
- 最初の電極をはんだ付けしたら、ピンセットでチップ抵抗を軽く揺らす
電極がパッドに正しくはんだ付けされていないと、パッドが綺麗に残ったまま部品が外れます。
但し、正常にはんだ付けされても、強く揺らし過ぎるとパッドが剥離するか、パッドに電極がはんだ付けされたまま残り、チップ抵抗本体が剥がれて取れてしまいます。
- はんだ付けが完了したらテスタで導通チェックする
具体的には、チップ抵抗の電極でなく、パッド−パッド間の導通又は抵抗値をチェックします。
- はんだ付けが完了したら、ラジオペンチでチップ抵抗を剥がす
最初の内は全部でなくても、一部について実施する事を薦めます。
正しくはんだ付けできていれば、チップ抵抗が破壊される(割れる)か、パッドが剥がれて部品がむしり取られた状態になります。
●おわりに
以上は筆者のはんだ付け練習の為の試行錯誤の一部です。
筆者は根が不器用であり、他人様に誇れる程上手なはんだ付けはできないので、小形チップ部品のはんだ付けが容易 L型こて先による「点眼はんだ法」
等の中の動画や写真を見たら方法論としての効果の程が怪しまれるかもしれません。
しかし、むしろ「本稿の方法によれば不器用でもこの程度には実用的なはんだ付けができる様になる」とお考え頂き、本方法を世に有る数多くのヒントの中の一つとしてご覧頂ければ光栄です。
以上 (最新改訂 2020/06/23)
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