手でのはんだ供給から解放

点眼はんだ法にも便利

はんだホルダの製作

SMDクランプバナー
1.はじめに
 一般的には、はんだゴテへのはんだ供給は、はんだゴテを持つ手と反対側の手に糸はんだ(以下はんだ)を持って行ないますが、 その回数が多いと結構煩わしく、こて先が微小で、はんだ量も微量だとさらに煩わしくなります。
 はんだ送り機能を持つ「はんだ送りはんだゴテ」も有りますが、表面実装部品の様な細かい作業には向きません。

 本稿はL型こて先による「点眼はんだ法」の様な細かい作業にも使える、 手でのはんだ供給を不要にして、作業のストレスを解消する「はんだホルダ」の製作方法を記したものです。

【ご注意】
 本稿の記述内容は、筆者、または(有)プロエクシィが安全性や無謬性等を保証するものではありません。
 本稿を参考にしてはんだホルダ作成等を行なう場合は、自己責任において行なって下さい。


2.「はんだホルダ」の製作

 製作手順
No. 写  真 説  明
 1 材料 材料
@SMDクランプ「PX1810」
Aビニルチューブ
 はんだのガイドに使用します。
 内径ははんだが容易に通せるものとします。
 写真はΦ0.3mmのはんだ対応の、内径Φ0.5mmのビニルチューブ。
 はんだの通し始めを容易にする為に、ビニルチューブの片側を断面が斜めになる様にカットして置きます。
B基板端材
 耐熱台作成の為の材料
 はんだゴテが接触しても良い耐熱素材であれば何でも可です。
 ユニバーサル基板の端材で充分です。
Cセロテープ
 ビニルチューブ(A)を基板端材(B)に固定できれば何でも可です。
D両面テープ
 耐熱台をSMDクランプ(@)に接着します。

 2 耐熱台作成 耐熱台作成
 直線状に伸ばしたはんだを置く台です。
 いわば、はんだの「まな板」です。

 基板端材(B)のクランパ先端が当たる部分にパターンカット用ナイフ等で浅い溝を付けます。
 クランパ先端の半楕円溝の高さより、はんだの径が細く、固定できない場合に必要です。

 ビニルチューブ(A)の片端がクランパ先端に接する様に、基板端材(B)にセロテープで固定します。

 3 両面テープ貼り付け 両面テープ貼り付け

耐熱台を貼り付ける為に、SMDクランプ(@)に両面テープ(D)を貼ります。

 4 組み立て 組み立て

 SMDクランプ(@)に耐熱台を貼り付けて完成です。

参考 SMDクランプ「 PX1510」使用 SMDクランプ「PX1510」使用の場合

 SMDクランプ「PX1810」(@)の代わりにSMDクランプ「PX1510」でも同じ手順で製作可能です。


 以下は「はんだホルダ」製作方法の動画です。


「はんだホルダ」の製作

「はんだホルダ」の製作の様子です。


3.使用方法
 以下は「はんだホルダ」と「L型こて先」の使用方法の動画です。
 「はんだホルダ」を用いて、点眼はんだ法 に用いる金メッキ「L型こて先」にはんだを供給しています。

 手でのこて先へのはんだ供給を不要にして、作業のストレスを解消します。


「はんだホルダ」と「L型こて先」の使用方法

「はんだホルダ」と金メッキ「L型こて先」の使用の様子です。
左手を使わずに右手のこて先にはんだを供給します。

はんだをドーム状にする事で、こて先のはんだ量を容易にコントロールできます。

はんだが載り難くなったら、コピー用紙等で研ぎ、絶対にヤスリや金属ナイフ等で研がないで下さい。
メッキが剥げて、こて先は銅食われで痛みます。

4.補足
(1)「はんだホルダ」の底面に「両面吸着ジェル」等を貼り付けて、作業台の任意の位置に固定すると、ピンセットではんだを引き出す 際に、もう一方の手でクランパを持ち上げる必要が無いので、さらに便利です。

(2)「はんだリール台」に直接「はんだホルダ」の主な機構を設置すれば、最強の「はんだリール台」になると思います。
 DIYならいざ知らず、業務用に自作では時間コストが高過ぎるので、何処かのメーカさんが製造販売してくれると有り難いですね。


 以上 (初版 2020/06/25)

特定商取引に関する法律に基づく表記

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