信号出力端のダンピング抵抗値決定の一方法
信号波形検証効率アップ
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一般的にプリント基板のクロックラインや、ストロ−ブ信号の様な高速信号については、オーバーシュート、アンダーシュートによる波形の乱れを抑える為に、 ドライブ端に直列に数10Ωの抵抗を、ダンピング抵抗として入れる事が良く行なわれます。
基本的には信号のドライバ出力端を配線パターンの特性インピーダンスに等しくすれば良い事になっています。
従って、
ダンピング抵抗値 = プリント基板の特性インピーダンス − ドライバの出力インピーダンス
にすれば良い事になります。
しかし、一般的な基板では高速信号部以外はコストに関わる特性インピーダンス管理はしていない事がほとんどです。
その場合プリント基板の特性インピーダンスは不明(数10Ωから100Ω程度)で、ドライバの出力インピーダンスもデータシート上明確でない場合もあります。
その際はダンピング抵抗の値をいくらにするかは、基板が出来上がってから回路を動かし、波形を見ながら決めるしかありません。
ダンピング抵抗が多い回路の場合は、抵抗を一々取り替えながらの試行錯誤は、大変な作業になります。
その様な時は、100Ω程度の可変抵抗をダンピング抵抗箇所に仮半田付けし、シンクロスコープで波形を観測しながら最適な波形になる様に可変抵抗を調整すると効率的です。
後は可変抵抗を外してその抵抗値をテスターで計るだけです。
ダンピング抵抗がチップ部品の場合は、可変抵抗を直接チップ抵抗用パッドに半田付けすると、 可変抵抗の端子の力が直接パッドに加わりパッドが剥離します。
その場合は下の写真の様にダンパーとして可変抵抗にΦ0.26mm以下、長さ10mm程度の柔らかい線材を接続し、 これをパッドに半田付けして不要な力がパッドに加わらない様にします。
写真はその実施例です。
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可変抵抗 : CT-6P 100Ω(コパル)
線材 : ETFE電線 φ0.26mm (AWG30) (潤工社)
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実施例
CPU基板のダンピング抵抗 R8の値確認
はんだ付け作業には
SMDクランプ
を用いると便利です。
下の動画はその実施例です。
数10MHzの高速信号の場合は、一般的なプローブでなく、測定部とGNDピンが10mm程度のループで収まる、 GND用アダプタ(正式名称はメーカーの取扱い説明書にも出ていませんでした)でないと正しい波形は観測できないので注意が必要です。
以 上 (改訂 2018/06/25)
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