基本的な回路素子の多くは表面実装部品が主流となり、定番とされる小信号用トランジスタ2SC1815、2SA1015(東芝)
も生産終了予定品で、インターネット上でもその対応方法が種々提案されています。
実際には通販のパーツ屋さんではまだ販売している所も多く、一品物の製品や趣味の製作の場合は当分の間これらを使用する事はできそうです。
しかし、アールエスコンポーネンツ社の様な原則として法人取引のみの販売会社では販売リストから外されている様に、業務用としては入手がし難くなっています。
また、製品向け回路のユニバーサル基板等による試作では、廃番予定の部品を使用する訳には行かず、例えば東芝で代替え品として推奨している
2SC2712、2SA1162の様な表面実装部品を使用する必要が出て来ます。
ユニバーサル基板で表面実装部品を使用する方法として良く取り上げられるのはピッチ変換基板を使用する方法です。
これは比較的容易な方法ですが、手間が掛かり人件費に換算すると余り安価ではありません。
1個だけならまだしも、ダーリントン回路やプッシュプル回路の様に2個、4個と増える毎に手間が増え、回路の信頼性も失われます。
業務であれば出来るだけシンプルにしたく、それは検証のし易さや信頼性向上にもつながります。
その一方法として、通常のユニバーサル基板と同様なスルーホールを持ち、各スルーホール間に3ピンSOT(Small Outline Transistor)部品と
チップ部品用のパッドを設け、チップ部品もDIP部品と同様に扱える様にしたパッドインDIP
(Pad in DIP)と呼ぶパターンを用いた
0.65mmSSOP用ユニバーサル基板 PX1610
SMD用ユニバーサル基板 PX1211
CHIP/DIP兼用 ベースユニバーサル基板 PX1310
CHIP/DIP兼用ユニバーサル基板 PX1320
シングルオペアンプ(×2)基板 PX1330
等のユニバーサル基板の使用が有ります。
これにより表面実装のトランジスタやダイオード、チップ部品を直接基板に半田付けでき、配線はスルーホールを介して行なえます。
以下に CHIP/DIP兼用ユニバーサル基板 PX1320を用いた3ピンSOTパッケージの2SC2712、2SA1162
による2SC1815、2SA1015に対する代替え回路例を示します。
(何れもクリックで拡大できます)
オープンコレクタ回路例 |
部品面の外観 T1、R1を実装 |
半田面の外観 R2を実装 |
プッシュ−プル回路例 |
部品面の外観 T2、T3、D1、R3〜7、 C1、C2を実装 |
半田面の外観 R8、R9を実装 |