筆者が昔の勤務先に入社して間もない頃、ある開発テーマの実現方法において幾通りもの方針が考えられて迷った折、大先輩であるK技師長に相談した処、目の前で立ち処に結論を導き出して頂いたことがありました。
正に快刀乱麻、目から鱗でした。以後筆者は意志決定を要する多くの場面でその方法を真似て来ました。
その方法とは下表の様に選択要因となる重要な比較項目を列挙し、それらの項目に対して各案毎に○、×、△を用いながら判定を下し、総合的に○、×、△の数で最良の案を選択するというもので、筆者はこれを勝手にMPS(MaruPekeSankaku)法と呼んでいます。
比較項目 | 第1案 | 第2案 | 第3案 | |||
価格 | ○ | 10万円 | × | 50万円 | △ | 20万円 |
工数 | × | 3人月 | × | 3人月 | ○ | 2人月 |
スペース | ◎ | 100Cu | ○ | 150Cu | × | 200Cu |
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MPS法の欠点は、ある場合は価格を最優先とし、別の場合は価格に拘らず工数あるいは納期を最優先にするというように、比較項目に優先順位が付け難いということです。
未だパソコンが存在しない二十数年前の当時とは異なり、現代では表計算ソフトが利用できます。そこで最近ではMPS法を発展させ、表計算ソフトを使用して下表の様に比較項目に優先順位を付けられるようにしました。
筆者はこれをAMPS(Advanced MaruPekeSankaku 又はABC & MaruPekeSankaku)法と呼んでいます。
比較項目 | 第1案 | 第2案 | 第3案 | |||||||
重要度 | 比較内容 | 判定 | 得点 | 備考 | 判定 | 得点 | 備考 | 判定 | 得点 | 備考 |
C | 価格 | ○ | 10 | 10万円 | × | 2 | 500万円 | △ | 5 | 20万円 |
A | 工数 | × | 3 | 3人月 | × | 3 | 3人月 | ○ | 10 | 2人月 |
B | スペース | ◎ | 20 | 100Cu | ○ | 5 | 150Cu | × | 0 | 200Cu |
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得点合計 | 90 | 75 | 45 |
実際のEXCELファイルを使用例としてamps.xls を用意しました。これを適当に変更すれば他にも充分活用できますので試してみて下さい。
なお、MPS法やAMPS法は一見客観的でありながら、実は極めて恣意的にもなり易い方法なので、使用に際しては充分な注意が必要です。
以上 (2002/12/30)